学際生命科学東京コンソーシアム - Tokyo Interdisciplinary Life Science Consortium

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第2回 市民講演会 ~進化する「いのち」の科学~

第2回市民講演会は130名もの方々がご参加していただき、また質疑応答では多くの市民の方が積極的に発言していただきました。誠にありがとうございました。

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会 場:お茶の水女子大学理学部3号館701号室
連絡先:お茶の水女子大学 棚谷 綾
TEL/FAX: 03-5978-2716
E-mail: tanatani.aya@ocha.ac.jp
主催:お茶の水女子大学
共催:東京医科歯科大学、学習院大学、北里大学
後援:文京区教育委員会

プログラム:
14:00 開会の辞 羽入 佐和子(お茶の水女子大学・学長)

座長: 広野 修一(北里大学薬学部・教授)

14:10 小林 義典(北里大学薬学部・教授)
    『ハーブサプリメントの有効性と安全性』

14:50 岡本 治正(学習院大学理学部・教授)
    『脳の進化の物語』

15:30 休 憩

座長: 小林 哲幸(お茶の水女子大学・教授)

15:50 由良 敬(お茶の水女子大学生命情報学教育研究センター・教授)
    『紫外線と生き物の関係』

16:30 吉田雅幸(東京医科歯科大学生命倫理研究センター・特任教授)
    『美しく年を重ねるために〜サクセスフル・エイジングに必要なもの〜』

17:10 閉会の辞 須田 英明(東京医科歯科大学・理事)

講演内容:
小林 義典(北里大学薬学部・教授)
『ハーブサプリメントの有効性と安全性』

 一般にハーブというと、伝統薬や香辛料として利用されてきた有用植物を指す場合が多い。ヨーロッパ、特にドイツでは、薬用ハーブの有効性が臨床的に評価され、その多くが医薬品として扱われている。その結果、薬用ハーブは代替医療の1つとして注目を浴び、日本の市場にも多くの薬用ハーブが健康食品やサプリメントとして流通している。一般に「天然素材は安全」と考えられがちであるが、有効性と有害性とを切り離して考えることはできない。また、医薬品との相互作用を生じることが明らかとなっているものもある。本講演では、ハーブサプリメントを利用する上での注意点について概説する。

岡本 治正(学習院大学理学部・教授)
『脳の進化の物語』
 脳の働きには目覚しいものがあり、それが38億年にも及ぶ悠久の『いのち』の歴史の中でどのようにして進化してきたのか、多くの人々の興味を惹きつけてきました。肝臓も心臓もついに己を知ることができませんでした。ただ脳のみが、そして恐らくヒトの脳のみが己を良く識ることができるようになりました。ヒトが最も近縁種のチンパンジーと共通の祖先から分岐して約600万年しか経過していません。しかしその間に脳重量はチンパンジーの約3倍にも増大しました。しかもヒト脳の巨大化は約200万年前から20万年前までの僅か180万年間に達成されたと考えられています。生命進化の中でも特筆すべきこの出来事の謎を我々ヒトは明らかにすることができるのでしょうか?

由良 敬(お茶の水女子大学生命情報学教育研究センター・教授)
『紫外線と生き物の関係』
 夏の日差しが強いころは、紫外線対策のクリームを塗ることが普通になりました。紫外線はこわいものという認識が一般的になっている様子です。では、紫外線はなぜ怖いのでしょうか?紫外線にはいろいろな種類がありますが、今の地球はもっとも怖い部分の紫外線からはオゾン層によって守られています。しかしこの保護はたった4億年程度前からのことだと考えられています。それ以前は、地上に紫外線が降り注いでいました。それでも生物は生きてきたわけですから、紫外線がもたらす害に対抗する手だてを生物は持っていたことになります。今の生物もその対抗手段を持っているはずです。コンピュータをつかってゲノムデータを解析していくと、生き物と紫外線の歴史が少しずつわかってきます。

吉田 雅幸(東京医科歯科大学生命倫理研究センター・特任教授)
『美しく年を重ねるために~サクセスフル・エイジングに必要なもの~』
 日本を含む先進国では,75歳以上の高齢者が増加しています。わが国も世界一の長寿国といわれながら、この50年のあいだに疾病構造が大きく変化し、がん・循環器疾患・代謝疾患などに罹る方が増えています。なかでも、脳卒中や心筋梗塞のような循環器疾患は動脈硬化症という血管の病気が原因で起こることがわかってきましたが、現代社会は数々の誘惑が多く、健康な生活習慣を維持することは容易ではありません。本講演では、この動脈硬化症の最新医学研究の成果を紹介するとともに、これまでの医学研究の進歩が、多くの患者さんのご協力の賜物であることにも触れ、皆さんがより良く・より美しく生きるためのヒントをお伝えしたいと思います。