Q: 連携取組で育てたい人材像とは
A: この取組で目指すのは、疾患予防科学分野においてゴールを見据えた研究(社会への還元)を実施できるような国際感覚豊かなオピニオンリーダーとなる人材を育成したいと考えています。
Q: そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか
A: 現代の日本は人類初の超高齢化社会へ突入しましたが、疾患の予防に関する科学はまだ始まったばかりであり、疾病予防を指導できる人材の育成は日本が取り組むべき重要なテーマです。一方、疾患予防を含むライフサイエンスの分野の急速な研究の進展は、新たな産業創出の機会でもあり、日本の成長戦略の視点からも最も重要な課題です。
Q: なぜこの4大学で連携することになったのですか
A: 4大学は近距離に位置し、またライフサイエンスの分野において、お互いに補完的な関係にあることから、生命科学分野の世界的な拠点となることを目指して平成21年より取り組んで参りました。
Q: 取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか
A: 2年間は「疾患予防科学コース」に必要な教育コンテンツの準備を行い、平成26年度に本コースを東京医科歯科大学とお茶の水女子大学の博士課程に設置し、4大学で連携して教育研究指導を行います。また、これまでの事業(修士課程の教育高度化、学生支援、社会協働)についても本コースの設立に併せて発展的に継続していきます。
Q: この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか
A: ステークホルダーの積極的な参画が可能となり、社会ニーズをプログラムに導入することで、即戦力となるような人材育成も可能となります。また疾患予防科学コースを体系的に構築することで、現代の日本の大きな課題の解決に一石を投じます。このような一連の活動には、外部諮問委員会からの客観的な評価を加えることで、社会と一緒に教育システムを作り上げます。これに伴い、4大学がリソースの共有化を図ることで学生に最高の学びの機会を創出します。なお、本コースには、毎年6~10名の入学者を予定しています。
Q: 取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか
A: ステークホルダーを中心に、社会からのニーズを踏まえたプログラム作りに取り組みます。またこれまでのシラバスの共有化から一歩踏み出して、複数の大学の教員による指導体制、研究室ローテーションによる教育、それぞれの大学の施設の共有化による学び・研究の機会の創出、国際化プログラムの共有化など、一大学ではできなかった取組を実施いたします。さらに、既存の修士課程を発展的に継続し、修士課程修了者の新たな途ともなる博士課程を設立し、即戦力として活躍できる人材を毎年6~10名輩出します。
Q: 連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。具体的な成果指標のイメージはありますか
A: 学生・留学生は本プログラムを通して、日本で最高の学びの機会を得るのみならず、自らの可能性を最大限に広げる機会となります。本コースを修めた学生は医療機関・公的機関・テーラーメード医療産業・疾患予防産業というフィールドで広く活躍できるよう全力で取組を進めて参ります。
ステークホルダーからのメッセージ
大日本印刷株式会社(DNP)・役員 杉本 登志樹
大日本印刷は将来を見据えライフサイエンス分野の研究開発を精力的に行っていますが、より医療分野、予防医療分野への発展を目指しており、本連携取組には、これら分野の人材育成への直接の関与について要請をしました。4大学の力を結集し、新しい教育モデルを構築し、予防医学に携わり、社会に貢献するために本連携取組のカリキュラム編成、インターンシップなどの場面に参画し、大学等と協働の取組を推進し、この取組を通じて、予防医学の普及を期待しております。